【中】4人の運命の恋人〈ラブメイト〉に溺愛されてます!?



『ほら、つかまっていいぞ』




 わたしはその手をつかんで、いちばん上に登った。

 ジャングルジムから手を離して立ち上がろうとすると、体がぐらつく。

 でも、おなかに男の子の腕が回って、バランスを取り直すことができたんだ。


 わたしを支えてくれる体がたのもしくて、そのときにはすでに、お兄ちゃんみたいだなって思ってた。

 ……ううん、ちょっとうそ。

 そのときはまだお兄ちゃんとかよくわからなかったから、最初はお父さんみたいだなって思ってたんだ。




『たかいだろ、ここ』


『わぁ……! いつもとちがーう!』




 ジャングルジムのてっぺんから見る幼稚園は、わたしが知ってる幼稚園とはちょっとちがった。

 前のめりになって景色を見ようとすると、『あぶないだろ』と男の子に抱き寄せられて、体の位置がもどった。

 わたしは楽しくて、にっこり笑いながら、男の子のほうにふり向いたんだ。