「好羽。ラブメイトじゃなきゃ、のろいだって関係ないだろ。いますぐにとは言わない。でも、俺と付き合わないか」
「っ……わ、たし、急に……」
トラにぃのことは好き。
でも、それはお兄ちゃんみたいな存在として。
だから、急に告白なんてされても……。
「俺をえらんでくれ。ラブメイトじゃなくても……俺は、好羽が好きなんだ」
ほおにトラにぃの手がふれて、熱のこもった目で、すこし切なく見つめられる。
ラブメイトだって告白された日からそうだけど……その顔がわたしの知らない、男のひとの顔に見えて、ドキッとした。
もう、ただの幼なじみだっていう言いわけは通用しない……。
ただのお兄ちゃんとして見てはいけない気がして、わたしは顔をそらす。
「い、まは……答えられない。ごめんなさいっ」
なんとかそれだけ言って、わたしは走り出した。



