【中】4人の運命の恋人〈ラブメイト〉に溺愛されてます!?

 放課後になって、1階に下りてきたわたしは、昇降口でトラにぃに会った。




「あ、トラにぃ……」


「……話があるんだ。いっしょに帰らないか?」


「……うん、いいよ」




 1人で立っていたトラにぃにうなずいて答えて、一緒に校舎を出る。

 2人でならんで歩きながら、わたしはちらっとトラにぃの顔を見上げた。




「……トラにぃ、どうしてうそをついたの?」


「好羽が好きだから」


「えっ……」




 びっくりして、目を丸くする。

 トラにぃは真剣な目でわたしを見下ろして、言った。




「むかしから、ずっと。好羽が好きだった。好羽は俺のこと、兄貴みたいに見てるが……俺は妹だと思ったことはない」


「そんな……ほんとうに?」




 ドクドクと、胸がこんらんした音を立てる。