放課後になって、1階に下りてきたわたしは、昇降口でトラにぃに会った。
「あ、トラにぃ……」
「……話があるんだ。いっしょに帰らないか?」
「……うん、いいよ」
1人で立っていたトラにぃにうなずいて答えて、一緒に校舎を出る。
2人でならんで歩きながら、わたしはちらっとトラにぃの顔を見上げた。
「……トラにぃ、どうしてうそをついたの?」
「好羽が好きだから」
「えっ……」
びっくりして、目を丸くする。
トラにぃは真剣な目でわたしを見下ろして、言った。
「むかしから、ずっと。好羽が好きだった。好羽は俺のこと、兄貴みたいに見てるが……俺は妹だと思ったことはない」
「そんな……ほんとうに?」
ドクドクと、胸がこんらんした音を立てる。
「あ、トラにぃ……」
「……話があるんだ。いっしょに帰らないか?」
「……うん、いいよ」
1人で立っていたトラにぃにうなずいて答えて、一緒に校舎を出る。
2人でならんで歩きながら、わたしはちらっとトラにぃの顔を見上げた。
「……トラにぃ、どうしてうそをついたの?」
「好羽が好きだから」
「えっ……」
びっくりして、目を丸くする。
トラにぃは真剣な目でわたしを見下ろして、言った。
「むかしから、ずっと。好羽が好きだった。好羽は俺のこと、兄貴みたいに見てるが……俺は妹だと思ったことはない」
「そんな……ほんとうに?」
ドクドクと、胸がこんらんした音を立てる。



