「それじゃあ、僕たちも失礼します。今回はありがとうございました」
「いいえ。大変なこともあるでしょうが、みなさん、いつでもたよってくださいね」
「はい」
「じゃあまたあとでね、おじいちゃん」
「あぁ、塁」
にこりとほほえむ理事長先生に見送られて、わたしたちはろうかに出る。
用がなければ通らない場所だから、あたりにはだれもいない。
優生さんたちは、すぐに足を止めてわたしを見た。
「このちゃん。だれに“好き”って言われたいか、えらんで」
「もちろん、俺をえらんでくれるよね♪」
「おれも……えらんでもらえたら、心を尽くします」
「僕をえらんでほしい……好羽ちゃん」
「えっ……そんな、えらぶなんて……」
急に言われても、ムリだよ。
だれに告白されたいかなんて……っ。



