遠野くんがぽつりと言った言葉が、答えなのか。
トラにぃは目をつぶって髪をかきあげた。
「全員ほんとなんて、思わねぇだろ」
「そんな……」
トラにぃは、うそをついてたんだ。
どうして……?
どうしてラブメイトだなんてうそを……。
「……白山さんたちが特殊なケースなだけに、納得しきれないものがあるでしょう。佐和田くん、いつでも相談しに来てくださいね」
「相談したところで、どうなるってんです? ……じゃあな」
トラにぃはわたしを見ることなく、理事長室をさきに出て行った。
閉められたとびらをじっと見つめていると、背中にだれかの手がふれる。
となりを見れば、優生さんが眉を下げてほほえんでいた。



