「“とても希少なことではありますが、ラブメイトが複数人存在するケースがあります。ご利用者さまは今回、そのケースに該当されましたので説明書を添付いたしました”」
尽くんが、まさにいまわたしが読んでいた文章を読み上げる。
科学的な原因はわかっていないけど、たしかに全員ラブメイトであること。
ラブメイトが複数人いた場合、1人と結ばれると、そのほかのラブメイトはその時点でラブメイトではなくなり……。
べつのひとの、ラブメイトになる。
そんなことが、その紙には書かれていた。
「それじゃあ……みんなが、わたしのほんとうのラブメイト……?」
「そういうことになる、ね」
となりに立っている優生さんが、うなずいてわたしを見る。
遠野くんも、遊馬くんも、尽くんも、笑ってわたしを見た。



