優生さんの近く、とびらから正面の壁ぎわを指さした尽くんは、にこりと笑って言う。
おくの席は、イスが1脚あるだけの、いわゆるお誕生日席。
いいのかな、と思ったんだけど、遠野くんたちが空いてる席に座って、空席が1つになってしまったから、わたしはおずおずとおくの席に座った。
とびら側、いちばんとびらに近い席がトラにぃ、そのとなりが遠野くん。
向かいの壁側、わたしのすぐ右に座っているのが優生さんで、そのとなり、トラにぃの向かいが遊馬くん、2人のうしろに立っているのが尽くんだ。
「まずは2人にも説明しておくね。世のなかには、不用意にさわってしまうとのろいにかかる、いわくつきのこっとう品があるんだ」
「のろい……?」
「まるでゲームみたいな話だね~♪」



