【中】4人の運命の恋人〈ラブメイト〉に溺愛されてます!?



 とにかく立ち上がろうとすると、わたしに背中を向けていた男の子がふり返って、ぱしっとわたしの手首をつかんだ。

 おくれて、さらさらの金髪のあいだからのぞく、目じりが下がった瞳と視線がまじわる。

 すこし青白い肌に、目や眉毛、鼻、口がバランスよく配置されていて、絵画(かいが)みたいにととのった顔をしている。


 線が細くて体がうすいからか、散っていく桜のような、はかない雰囲気(ふんいき)があった。


 こんなにきれいなひと、初めて見た……。

 つい見惚(みほ)れて、色素のうすい瞳をじぃっと見つめてしまう。




「きみ、は……」




 黒目が大きく開いて、フルートの音色のような声がこぼれおちた。

 その声を聞いて、ハッと我に返ったわたしは、手をふりほどいて距離を置きながら、目をそらす。


 あぶないあぶない、きれいな顔だからつい見つめちゃう……!