「好羽さん、もしかしてあなたは……」
「のろいにかかってるの?」
「え……っ、どうして……」
知ってるの?
びっくりして目を丸くすると、トラにぃが眉をひそめる。
「のろい? なんだそりゃあ」
「いわくつきのこっとう品にさわると、のろいにかかる……そういうことがあるんだよ」
「こっとう品、って……好羽のじいちゃんばあちゃんの店にある?」
トラにぃに視線を向けられて、わたしはとまどいながらうなずいた。
まさか優生さんが知ってるなんて……。
「うん、あの……蔵のなかにあるものにさわっちゃって……」
「のろいにかかった、のか?」
じっと見つめられて、こくりとうなずく。
そのとき、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。
「……時間だね。好羽ちゃん、その話、あとでくわしく聞かせてくれる? そうだな……このあいだのみんなを集めて、昼休みに、生徒会室で」



