尽くんはにこりと笑ってから、眉を下げた。
「あ、ううん。優生さんもだけど、尽くんもすごいねって。ふつう、副会長って3年生がなるものでしょ?」
「え……ありがとうございます。そうですね、でも副会長のほうがより優生くんをサポートできますから」
「へぇ……尽くんって世話焼きなんだね」
それに、優生さんともすごく仲がいいんだろうな。
ほおをゆるめると、尽くんの顔はすこし赤くなる。
「お、幼なじみとしてとうぜんの……」
「――好羽ちゃん?」
「よぉ、好羽」
かいだんのほうから聞こえたのは、きれいな優生さんの声と、低いトラにぃの声。
ドキッとしながらふり返れば、2人はならんでこっちに歩いてきていた。
「トラにぃ、優生さん……」
「おはよう。このあいだは……ごめんね。好羽ちゃんの気持ちをムシしてた」



