【中】4人の運命の恋人〈ラブメイト〉に溺愛されてます!?



「……好羽(このは)さん?」




 わたしを呼ぶ声が聞こえたのは、右のほうから。

 そっと顔を向けると、教室のとびらの前に、(じん)くんが立っていた。

 尽くんは目が合ってすぐ、わたしのほうへ歩いてくる。




「だいじょうぶですか? 好羽さんのこと、心配だったんです」




 メガネごしに、気遣うような視線を向けられて、胸があたたかくなった。




「あ……うん、だいじょうぶ。心配してくれてありがとう、ごめんね」




 尽くんは優生(ゆう)さんと仲良しみたいだけど……あの場にいたひとのなかで、ゆいいつ、わたしのラブメイトじゃない男の子なんだよね。

 あの4人と顔を合わせるよりも、気がらくだな。




「いえ。元気になったのならよかったです。好羽さんが笑顔でいてくれると、おれも……」


「……?」