ふり返ると、ろうかにいた遊馬くんはにこっと笑う。
でも、すぐに眉を下げて私に近づいてきた。
「ごめんね。なにかいやな思い、させちゃったんだよね?」
「……」
わたしのほうこそごめんなさい、って言わなきゃいけないのに。
うまく声が出なくて、やっぱり目をそらしてしまった。
「仔猫ちゃんのこと、たくさん知りたいって言ったのはうそじゃないよ。俺が仔猫ちゃんを泣かせちゃった理由も知りたい」
「わたし……」
「このちゃん。僕はこのちゃんのこと、大事にする。もう傷つけたりしない」
「俺もだよ♪ よく軽いって言われるけど、これは本気。俺の仔猫ちゃんを泣かせちゃったこと、後悔してるんだ」
うしろから、前から。
遠野くんも遊馬くんも、まじめな顔でわたしを見つめる。
のろいのこともあるから、ちゃんとあやまろうって思って、わたしは胸の前で両手をにぎった。



