【中】4人の運命の恋人〈ラブメイト〉に溺愛されてます!?



「ご、ごめんなさいっ……! だいじょうぶですか……っ!?」


「うん……だいじょうぶです……」




 うずくまった体勢の男の子から、すき通ったきれいな声が聞こえる。

 彼の背中をおおっているのは紺色のブレザー。

 始業式が始まるぎりぎりの時間をねらって家を出たから、ひとには会わないと思ったけど……もしかしておなじ学校のひとかな?


 男の子とはかかわりたくないけど、ぶつかって、しかも体の上にたおれこんじゃったのに、それじゃあ失礼します!なんて言えないよね……。




「こちらこそごめんなさい……こんなところで、じゃまですよね……ちょっと体調がわるくて……」


「えっ」




 そんなひとにぶつかって、しかもたおれこんじゃったの!?

 たいへん、相手は男の子とは言え、なんとかしないと……!




「なにか、胸が熱く……」


「わ、わたし、ひとを呼んできましょうか!? それとも救急車!?」


「――待って……!」