【中】4人の運命の恋人〈ラブメイト〉に溺愛されてます!?



「……あ、このちゃん」




 開いたままのとびらから教室に入ると、つくえにあさく座っていた遠野くんと目が合った。




「遠野くん……」




 おはよう、って言いづらくて、教室のゆかを見る。

 かかとをこするようなかわいた足音がして、遠野くんがわたしの前に立ったのがわかった。




「……ごめん。なにか傷つけるようなこと、言っちゃった?」


「……ううん」


「このちゃんが泣いてた理由、知りたい。このちゃんは僕のとくべつな子だから」




 とくべつ……。

 それはラブメイトだから、ってことだよね。

 ようすを見るように、遠野くんの顔を見ようとすると、うしろから「仔猫ちゃん?」という声が聞こえた。




「遊馬くん……」


「やっぱり、俺の仔猫ちゃんだ♪」