「おはよー」
「おはよ。あ、ねぇ、あの子……」
時間というのは止まってはくれないもので、月曜日、わたしはふくざつな気持ちで学校に来た。
ろうかを歩いていると視線を感じるのは、始業式の日、みんなに告白されたことがうわさになっているからみたい。
「遊馬くんのラブメイトってあの子……?」
「ちがうよ、会長のラブメイトなんだって」
「え~、私、遠野くんのラブメイトだって聞いたよ?」
「おい、景虎さんに彼女がいたってほんとかよ?」
「まじまじ、あの子だって」
みんなラブメイトに興味しんしんだから、うわさが広まるのもはやいな……。
教室に入れば視線のかずが減るかな、と思うと早足になる。
遠野くんと遊馬くんはおなじクラスだから、教室につくとその2人と顔を合わせることになっちゃうんだけど。



