【中】4人の運命の恋人〈ラブメイト〉に溺愛されてます!?



 ほおに手がふれて、顔の向きを変えられた。

 真正面からわたしを見下ろすトラにぃは、いつになく熱っぽい目をして口をうごかす。




「好羽、好きだ」


「待って……!」




 背中に回っていた腕が離れて、体がうしろにたおれた。

 わたしを背後から抱きしめたのがだれなのかは、耳元で聞こえるフルートの音色のような声でわかる。




「好羽ちゃん、僕の天使さま。僕をえらんで……僕と付き合って欲しい。かならずしあわせにするよ」




 ふるえるほどに強い思いがこめられている声が、左耳にそそぎこまれた。




「好羽さん、おれからもお願いします。優生くんと付き合ってあげてください……」




 尽くんのそんな言葉が聞こえたころに、やっとわたしの頭は回りはじめた。

 14歳になるまで、恋をしないこと。

 そして――……。