「仔猫ちゃん、よーく俺を見て? 俺は仔猫ちゃんを前にしてるだけで、メラメラ燃えてるみたいに胸が熱いよ」
「そう言われても、ほんとうに……」
「このちゃんのラブメイト、僕だよ。このちゃんの近くにいると、胸がヘンになる」
「好羽のラブメイトは俺だ。だれよりもよく好羽を知ってるのも俺だし」
「……好羽ちゃんは、僕の天使さまだよ。それは僕の体が証明してる」
遊馬くんも、遠野くんも、熱っぽい視線でわたしを見つめる。
トラにぃはわたしの肩に手を回し直して、みんなをけん制するように言い、優生さんは目をつぶって、制服の胸をぐしゃっとつかんだ。
みんな、あからさまにうそを言ってるようには見えないけど……。
でもわたしの体になにも変化が起きてないのも事実だし、と視線を下げると、尽くんの声があいだに入った。



