ふぅ、と呼吸をすこしととのえた優生さんは、顔を上げてわたしたちに聞いた。
いまだにトラにぃがわたしの肩から手を離してくれないから、とうぜんのぎもんかも。
遊馬くんたちも物言いたげな顔でわたしたちを見てるし。
「えっと……トラにぃは……」
「恋人」
「えっ!?」
なに言ってるの!?
とんでもないことを言ったトラにぃを見上げると、ちらりと視線を向けられる。
トラにぃはお兄ちゃんみたいな存在なのに!
「で、おまえらはなに?」
で、じゃないよ! ってツッコむ前に、「恋人?」と優生さんが聞き返した。
前を見ると、優生さんは眉を下げている。
「佐和田くんと好羽ちゃんは、想い合ってるの?」
「ち、ちがいます! トラにぃはただの幼なじみで……!」



