「あー、じゃあ合併したっていう女子校に通ってたのか」
「そう! ちょっと事情があって……」
そういえばのろいのことも、トラにぃには、はなせてなかったんだ。
「ふぅん? せっかく会ったんだしいっしょに帰るか?」
トラにぃは、くいっと口角を上げながらわたしの肩に腕を回す。
見上げないと目が合わないあたり、ほんとうに背が高くなったなぁ。
「うん! あ、でもわたし急いでて……」
「仔猫ちゃーん!」
「このちゃん……」
「好羽ちゃん、待って……!」
「優生くん、あんまり走っては……!」
「わっ!」
びっくりしておそるおそる校舎のほうを見ると、遊馬くんに遠野くん、優生さんに尽くんがこっちに向かって走ってきていた。
わたしはあわててトラにぃの腕をはずして逃げようとしたんだけど、がっちりとつかまれていて離れられず。



