きょとんとした顔をする優生さんと尽くんを置いて、わたしはすぐそばのかいだんをかけ下りた。
優生さんには本当にわたしのラブメイトなのかってことをかくにんしたかったけど、遊馬くんに追いかけられてるいまは、のんびりしてられない……!
いつのまにか、こんざつしてしまったろうかをなんとか通り抜けて、いままででいちばんはやく、くつを履き替えたわたしは、走って校舎を出る。
今日はなんとしても逃げないと!
考えるのは家に帰ってから!
「景虎さん、今日はどこ寄っていきます?」
「んー、そうだなぁ……」
校門までまっすぐに走っていると、なじみのある名前が聞こえて、ちらっと周囲に視線が向いた。
声が聞こえたのは左ななめ前のほうみたいで、4~5人の男の子たちが固まっている。
そのまんなかにいる、背の高い男の子は……。



