尽、と呼ばれた男の子は、優生さんとわたしを見くらべて、眉を下げた。
なんだかこまったような顔をしている。
いっぽうで、やわらかくほほえんでいる優生さんはわたしに近づいてきた。
「尽といっしょにいるってことは、2年生かな? あらためて自己紹介するよ、僕は3年の――」
「仔猫ちゃーん!」
「はっ……!」
優生さんが話してるとちゅうだったけど、遊馬くんの声がろうかの向こうから聞こえてきて、わたしはあわててうしろを向く。
たいへん、遊馬くんがこっちに来てる……!
しかも遠野くんも一緒にいるんだけど!?
「ご、ごめんなさいっ、わたしちょっと急いでて、話はまたこんど……!」
「好羽ちゃん?」



