閉会の言葉を聞いて、一列にならびながら教室に戻って。
先生のあいさつや、今日からの日程、保護者にわたすプリントに、教科書をもらうあいだも、わたしにはちらちらと視線が突き刺さっていた。
なかでも、前のほうの席に座っている遊馬くんからは、ガン見レベルの視線を向けられている。
――キーンコーンカーンコーン
「それじゃあ、今日のホームルームは終わりです。みんな気をつけて帰ってね」
さようなら、とあいさつを交わし合ったとたん、わたしはスクールバッグを持って立ち上がり、ふり返らずに教室を出た。
「あ、仔猫ちゃん!」
うしろから聞こえる遊馬くんの声には、ムシしてごめんなさい!と心のなかであやまる。
でも2人目のラブメイトなんて、わたしには手に負えない!



