「っ!?」
「やっぱりいいにおい……このにおいをかいでると、胸が熱くなってくる……」
「ちょ、ちょっと……!」
いきなり近づかれて、こまるんだけど……!
とっさに胸を押し返すと、遊馬くんはわたしの顔を正面から見つめる。
すこしでも動いたら鼻がふれちゃいそうな距離にこんなかっこいい顔があると、いやでもドキッとしちゃうな。
「――ラブメイト」
「え……?」
食い入るようにわたしを見つめている遊馬くんがぽつりとつぶやいて、胸に押し当てたわたしの両手をつつみこむようにつかんだ。
熱に浮かされたような、きれいなルビー色の瞳がわたしをまっすぐに射抜く。
「仔猫ちゃんは俺のラブメイトだ!」
「はい……っ!?」
びっくりして目をおおきく開いたから、よく見える。
遊馬くんのキラキラしたアイドルスマイルが。



