【中】4人の運命の恋人〈ラブメイト〉に溺愛されてます!?



「ねぇ、このちゃん。帰りにさ、理事長室行こうよ」


「えっ?」


「みなさん、おはようございます」




 とつぜんなにを言われたのかと、思わず遠野くんを見てしまう。

 ほおづえをついて、思いっきりわたしに顔を向けている遠野くんは、「やくそくね」とゆるく唇のはしを持ち上げた。

 ととのった顔をしているだけに、ドキッとせざるをえない。




「ちょ、ちょっと待って……!」


「はい、しずかに」


「あ……!」




 先生に注意されて口を閉じると、遠野くんは熱に浮かされたような視線をわたしにそそぐ。




「僕は塁。塁って呼んで。このちゃんはとくべつだから」




 とくべつ……!?

 先生が話し始めたことで中断された会話は、わたしにもやもやだけをのこした。