【中】4人の運命の恋人〈ラブメイト〉に溺愛されてます!?



 ぼそぼそとつぶやきながら、遠野くんは横目にわたしを見る。

 眠そうな、半分まぶたが下りた目をしているけど、優生さんとはまたちがった意味で、遠野くんもととのった顔をしていた。




「……あ。……ねぇ、なんて呼べばいーい?」




 じぃっと見つめられたまま話しかけられて、顔をそむけるタイミングをのがしちゃった!と反省する。

 わたしはしかたなく、目をそらしながら答えた。




「えっと……し、白山で」


「それ、苗字? 名前は?」


「好羽、だけど……」


「好羽……好羽……この……」




 ぶつぶつとつぶやく遠野くんにきんちょうしてたけど、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴って、ほっとする。

 これでもう、話しかけられなくてすむ……!

 がらがらと教室の前のとびらを開けて、先生も入ってきたし。