いまならわかる。
わたし、優生さんと出会ったときに、恋をしてたんだ。
恋に、落ちてたんだ。
自分で、気づいてなかっただけ。
わたしのなかで、優生さんへの“好き”がどんどんふくらんで……昨日、はげしく主張する恋に気づいた。
まっすぐトラにぃを見ると、トラにぃの顔はくやしそうにゆがむ。
「そうかよ」
「うん」
トラにぃの視線は、ふいっとはずれた。
そのまま、わたしのほうへ……ううん、ろうかのおくへ歩いていく。
わたしの横を通るとき、トラにぃはわたしの頭をくしゃっとなでて。
「大事にしてもらえよ。じゃなきゃ、かっさらうからな」
「トラにぃ……」
「“トラくん”って呼べ。むかしみたいに」
「……トラくん」



