「ここじゃ目立ちますよね。離れ校舎に行きましょうか」
「う、うん……!」
尽くんのさそいで、渡りろうかを通って離れ校舎に移動する。
こっちのほうにはひとがいないから、落ちついてはなせそう。
「土日はどうでした? 特に問題はありませんでしたか?」
「あ、うん……えっと、3回ずつ好きって言ってもらえた、よ」
「そうですか。よかったです」
尽くんはほほえんで、ただそれだけを口にした。
ほんとうに安心してるみたいで、ふくざつに思ったりはしてなさそう……?
「……好羽さん? なにかなやみごとでも?」
「えっ? どうして?」
「表情がすこしくらかったので。おれでよければ、相談に乗りますよ」
尽くんってすごいな……ひとのこと、よく見てるんだ。
わたしはすこしまよったけど、やわらかい笑顔を見て、おずおずとなやみを打ち明けた。



