「僕ね、あんまりひとに興味持てなくて。1日中どうしてるかなって考えるくらい、夢中になったひとはこのちゃんがはじめてなんだ」
「え……」
周囲の席にはだれも座っていないけど、塁くんの声はささやくような、ちいさなもの。
イスにもたれかかった頭がうごいて、まぶたが半分下りた目がこっちを向くと、熱がこもっていることに気づく。
「今日、ずっとこのちゃんといっしょにいて思った。僕のラブメイトは、このちゃんしかいない。僕が好きになる子は、このちゃんだけだって」
「っ……」
ぎゅっと、手をにぎる力が強くなった。
「好きだよ、このちゃん。このちゃんが僕以外のだれかと付き合うなんて考えられない……僕をえらんで」
「塁くん……」



