月島家のお守り四つ子～イケメン女子でも可愛いものが好きなんです！〜

「あさひ！」

　声に振り返ると、着替え終えた朔さんが少し必死にも見える表情で走ってきているのが見えた。その後ろには満さん、晦さん、弦さん、望ちゃんの姿もある。
　みんな少し驚いてるような顔だ。

「あさひ、大丈夫か？　ケガはないか？」

　真っ先に朔さんは私の肩を両手で掴んで無事を確認してきた。

「だ、大丈夫です！」

　近すぎる朔さんに慌てながらなんとか答える。
　そうしているうちに他のみんなも近くに来ていて、朔さんはやっと離れてくれた。

「あさひさん、すごいね……確かに護衛として多少は期待していたけれど、大人の男を倒しちゃうなんて」

　驚きと賞賛の言葉を口にした満さんは、水色のたれ目を細めて心配そうな顔になる。
　右手が私の頬に触れて、そっと撫でられた。

「でも、無茶はしないで。かわいい顔に傷でもついたら大変だからね」
「は、はいっ」

　触れられた頬がくすぐったくて、顔をのぞき込んでくる満さんの顔がイケメン過ぎて、恥ずかしいような気分になりながら返事をする。
　すると入れ替わるように晦さんが近くに来た。

「ホントだよ。巻き込んだのは俺たちだけどな、でもその分お前ごと守るつもりだったんだ」

　赤茶のつり目をわずかに下げて、心配そうな顔で告げた晦さん。
　でも軽く息を吐いた後口角をクッと上げた。