ハニー&クールな双子は再会した幼馴染みを愛しすぎている

 部活動に関してのことだったし、他にも人がいたこともあるから変だとは思わなかったけど……。

 でも、二人きりになったときの名倉先輩は何故か距離が近かった。

 そんなにずっとってわけじゃ無かったけど、必要以上に近いときがあってちょっと疑問に思っていた。

 もしかして私、本当に狙われてる?

 女の子のカラダだけが目当てみたいなあの先輩に?

 その可能性が高いことを自覚した瞬間、ゾワリと鳥肌が立った。

 寒気がして、思わず自分の体を抱くように腕を掴むと、自然と大きな胸が強調されてしまう。


「……私が狙われてるのって、これのせいだよね?」


 憎々しげに呟く。

 伸びて欲しい身長は伸びないのに、大きくなって欲しくない胸は必要以上に大きくなって。

 小柄なのに胸だけ大きいのはエロいとか、逆にバランス悪くて気持ち悪いとか言われて……。


「こんな胸嫌いっ! なくなっちゃえば良いのにっ!」


 ずっと溜め込んでいた自分のコンプレックスを吐き出す。

 いっそ毎日サラシで押さえつけたかったけれど、お母さんに「成長に悪い」「形が悪くなる」って止められたし。

 女友だちにも、大きいの羨ましいとしか言われないし。

 私がどれだけ自分の体が嫌いなのか知ろうともしてくれなくて……。

 誰にも、言えなかった。

 本当は蒼くんにもこんな愚痴聞かれたくない。

 でも、名倉先輩に狙われているかもしれないって嫌悪感が大きすぎて……もう溜め込むことが出来なくなった。