こんなの見ないように早く立ち去りたいのに、足が動かない。
泣き出したいくらいショックなのに、どうしたら良いのかわからなかった。
でも、突然目の前の光景が見えなくなる。
ふわふわとした明るい金色の髪と、優しい薄茶の目が飛び込んできた。
「奈緒ちゃん、ちょっとここを離れようか」
微笑んで囁いた翠くんは、涙が滲んでいた私の目尻を軽く撫でる。
そのまま視線を蒼くんに向けて呼び掛けた。
「蒼、奈緒ちゃんをあそこに連れて行ってあげて。メモは俺が取ってくるから」
「わかった」
翠くんの指示に、蒼くんは手首を掴んでいた手を私の手のひらに移し、大きな手で包み込むように握る。
「奈緒、行くぞ」
淡々と告げられて手を引かれると、動かないと思っていた足がアッサリ動いた。
素っ気ない口調だけれど、温かい手から蒼くんの優しさが伝わってきてる気がする。
そうして連れてこられたのは滅多に人が来ない屋上。
立ち入り禁止にはなっていないけれど、枯れ葉や鳥の糞とかそのままだからみんな来たいとは思わない場所だ。
それでも、今の私には丁度良かったみたい。
人がいないのも助かったし、高い分少し強い風がさっきのショックも吹き飛ばしてくれるような気がしたから。
泣き出したいくらいショックなのに、どうしたら良いのかわからなかった。
でも、突然目の前の光景が見えなくなる。
ふわふわとした明るい金色の髪と、優しい薄茶の目が飛び込んできた。
「奈緒ちゃん、ちょっとここを離れようか」
微笑んで囁いた翠くんは、涙が滲んでいた私の目尻を軽く撫でる。
そのまま視線を蒼くんに向けて呼び掛けた。
「蒼、奈緒ちゃんをあそこに連れて行ってあげて。メモは俺が取ってくるから」
「わかった」
翠くんの指示に、蒼くんは手首を掴んでいた手を私の手のひらに移し、大きな手で包み込むように握る。
「奈緒、行くぞ」
淡々と告げられて手を引かれると、動かないと思っていた足がアッサリ動いた。
素っ気ない口調だけれど、温かい手から蒼くんの優しさが伝わってきてる気がする。
そうして連れてこられたのは滅多に人が来ない屋上。
立ち入り禁止にはなっていないけれど、枯れ葉や鳥の糞とかそのままだからみんな来たいとは思わない場所だ。
それでも、今の私には丁度良かったみたい。
人がいないのも助かったし、高い分少し強い風がさっきのショックも吹き飛ばしてくれるような気がしたから。



