ハニー&クールな双子は再会した幼馴染みを愛しすぎている

 え? この二人ってつき合ってたの?

 というか、部室でなんてことしてるんだろう。

 怒りたいような、悲しいような気分でとにかく今は中に入れないことだけは理解する。

 メモが無いのは困るけれど、記憶を頼りに買い出しするしか無いだろう。

 そう思ってドアから離れようとしたときだった。


「んっ……ふふっ、名倉くんって色んな女の子とこういうことしてるんでしょう?」

「あ、リエにはバレてた? でもわかっていて俺の誘いに乗ったってことはお前も好きなんだろ?」


 キスしそうなくらい顔を近づけているのに、二人の間には甘い雰囲気なんてない。


「そうだよ? 名倉くんくらいクズならあたしも気にせずキモチイイことできるしね」

「ふーん、リエみたいな女は楽で助かるな」


 愛なんて全くない言葉を紡ぎながら、二人は互いの口を塞いだ。

 ……なに? なんなの?

 名倉先輩がクズ?

 そんな……名倉先輩はみんなの憧れで、王子様みたいに優しくて。

 でも、目の前で起きていることは紛れもない事実で。

 今聞こえた会話も幻聴とは思えなくて……。

 私は現実を受け入れることが出来なくて、体を小刻みに震わせた。