「確かにそうだね」
蒼くんの言葉に笑顔で頷いた私は、いつもより静かな部室棟の廊下を進んだ。
そして、演劇部の部室ドアのところに来ると――。
「――もう……まだよ」
「いいだろ? ……だれ……こない」
誰もいないと思っていたはずの部室から、誰かの話し声が聞こえた。
もしかしてキャストの人が練習してるのかな?
それだと邪魔になるかなって思ったけれど、メモを取るだけだから少しだけ失礼させてもらおう。
「すいません、しつれい――」
「あ、待て奈緒!」
声を掛けてドアを開けようとしたけれど、途中で蒼くんに止められる。
ドアノブに掛けていた右手首を掴まれて、なに? と文句を口に出そうとした。
でも、その前に少しだけ開いてしまったドアの隙間から信じられないものが見えてしまう。
「っ!?」
長テーブルに座っている女の先輩と、彼女の体に腕を巻き付けている名倉先輩。
二人とも胸元が緩んでいて、丁度名倉先輩が女の先輩の首に吸い付いているところだった。
明らかに演技の練習なんかじゃ無い。
憧れの先輩の情事を目の当たりにして、単純にショックだった。
蒼くんの言葉に笑顔で頷いた私は、いつもより静かな部室棟の廊下を進んだ。
そして、演劇部の部室ドアのところに来ると――。
「――もう……まだよ」
「いいだろ? ……だれ……こない」
誰もいないと思っていたはずの部室から、誰かの話し声が聞こえた。
もしかしてキャストの人が練習してるのかな?
それだと邪魔になるかなって思ったけれど、メモを取るだけだから少しだけ失礼させてもらおう。
「すいません、しつれい――」
「あ、待て奈緒!」
声を掛けてドアを開けようとしたけれど、途中で蒼くんに止められる。
ドアノブに掛けていた右手首を掴まれて、なに? と文句を口に出そうとした。
でも、その前に少しだけ開いてしまったドアの隙間から信じられないものが見えてしまう。
「っ!?」
長テーブルに座っている女の先輩と、彼女の体に腕を巻き付けている名倉先輩。
二人とも胸元が緩んでいて、丁度名倉先輩が女の先輩の首に吸い付いているところだった。
明らかに演技の練習なんかじゃ無い。
憧れの先輩の情事を目の当たりにして、単純にショックだった。



