「アスナ、待ってよ。そんなに早く帰りたいの?」
クリーム色のふわふわな尻尾が、私・天見奈緒の目の前で忙しなく揺れている。
リードがピンと張ってしまうほど先を急いで走るのはポメラニアンのアスナだ。
アスナの散歩のために外に出てきたっていうのに、引っ張られているのが私じゃあどっちが連れ出された方なのかわからない。
でも、家路を急ぎたいのは私も一緒。
だって、今日は五年ぶりに幼馴染みに会えるんだから!
お隣の辻本さん家には、私と同じ年の双子の兄弟がいた。
兄なのに泣き虫な翠くんと、優しくて頼りになる弟の蒼くん。
かわいくて、カッコイイ自慢の幼馴染みだった。
でも父親の短期出張について行かなきゃならなくなって、家はそのままで引っ越して行っちゃったんだよね。
で、短期出張が終わったから夏休みが終わる今日戻ってくるんだって。
夏休みが始まった頃におばさんが「またよろしくお願いします」って挨拶に来てたから。
五年前、まだ子犬だったアスナも二人に懐いていた。
きっと匂いとか覚えていたんだろう。
「アスナも二人にまた会いたいんだね」
私もだよ、と笑って私はアスナに負けないよう足を速めた。
クリーム色のふわふわな尻尾が、私・天見奈緒の目の前で忙しなく揺れている。
リードがピンと張ってしまうほど先を急いで走るのはポメラニアンのアスナだ。
アスナの散歩のために外に出てきたっていうのに、引っ張られているのが私じゃあどっちが連れ出された方なのかわからない。
でも、家路を急ぎたいのは私も一緒。
だって、今日は五年ぶりに幼馴染みに会えるんだから!
お隣の辻本さん家には、私と同じ年の双子の兄弟がいた。
兄なのに泣き虫な翠くんと、優しくて頼りになる弟の蒼くん。
かわいくて、カッコイイ自慢の幼馴染みだった。
でも父親の短期出張について行かなきゃならなくなって、家はそのままで引っ越して行っちゃったんだよね。
で、短期出張が終わったから夏休みが終わる今日戻ってくるんだって。
夏休みが始まった頃におばさんが「またよろしくお願いします」って挨拶に来てたから。
五年前、まだ子犬だったアスナも二人に懐いていた。
きっと匂いとか覚えていたんだろう。
「アスナも二人にまた会いたいんだね」
私もだよ、と笑って私はアスナに負けないよう足を速めた。



