しかし、植本の叫びは電車の発信音と扉の閉まる音によってかき消され、必死に出ようとするけど効果は無く次の駅へと運ばれて行った。

 それを見送ったわたしは、その場に座り込んだ。

 やっぱりペナルティの痛みは動くだけでも、かなりキツい。

 植本がどうなったか気にはなるが、どうなったかは確認出来る術がない。

 とりあえず痛みが落ち着いてからゆっくりと立ち上がり、同じく痛みから回復した間と目があった。

「……とりあえず駅から出よっか。それから話をしよう」

「わたしは別にここで話をしても構いませんよ」

 羽間は立ち上がってわたしの正面に立つと、見たことのない嫌な笑みを浮かべた。