「ぐぁぁ‼︎」

 中川は顔を両手で覆って崩れ落ちる。

 これなら少しの間、時間を潰す事が出来る。

「今のうちに急ぐよ‼︎」

 羽間の腕をしっかり握ってそのまま全速力で走る。

「待て、新田!」

 さらに怒った中川が再び後を追いかけているが、気にせず前に進む。

 駅前が見えた時、辺りを見回している植本を見つけた。

「植本、助けて!」