まるで痛みなど初めからなかったかのように突然なくなった。

 羽間も同じようだったのか、瞼を何度も瞬かせて驚いている。

「痛み、消えた?」

「はい。消えました」

「これってさ、市外に出ることを禁止されているよね?」

「多分そうですね。これがペナルティなんでしょうね。あれだけ痛いと何も出来ないですから」

「市外に出たらどうなると思う?」

「死ぬんじゃないですか? だってデスゲームですから」

「そうよね」

 羽間の言葉に深いため息をついた。

 これでデスゲームが続いていることがわかったし、強制的に誰かを殺さないといけないことも決まった。

 殺人鬼なんて見当もつかないのに、どうすればいいのか。

「まだ気持ち悪いですか?」

「ううん。もう大丈夫」