わたしは恐る恐る抜けた箇所に触れるが、血が滲んでいる感触はない。

 それより横一線にぷっくりと膨らんだような感触があり、違和感を覚える。

「怪我はしてないみたい」

「そうか。とりあえず、さっきの事は今から来る警察にしっかり言って被害届を出そう」

「そうよ。わたしの写真を証拠にして捕まえようね」

「二人とも、ありがとう」

 正直、一人だとあの男に酷い目に遭わされていたかもしれない。

 二人がいてくれて本当に良かったので、心の底から感謝をした。