23時55分。

「だからもう絶対ランドセル姿なんて見せたくなかったし、身長伸ばすために牛乳だっていっぱい飲んだ」

全然知らなかった。

「放課後と休みの日は友だちとバスケとかスポーツして、身長伸ばすために頑張ったんだよ」

「嘘……」
「ほんと」

信じられない。

「……ふっ」

思わず笑っちゃったら、臣が照れたようにムッとする。

「どうしたら侑莉に男として見てもらえるか、ずっと考えて、勉強して」

だから中学生になったら急に行動が大人っぽくなってたんだ。

「臣、かわいい。ふふ」

また笑っちゃったら、臣がわたしのほっぺをぎゅってつぶした。

「〝かわいい〟なんて言われるのも、笑われるのも全然うれしくないけど」

「……」

「侑莉が誕生日に笑っててくれるのは、すごくうれしい」

今は臣の方が泣きそうな顔してる。

初めて見る顔に、キュンッて胸がしめつけられる。