「隼瀬君って学校行きたいって思わないの？」
「……お前の脳内にデリカシーって言葉は存在するのか？」
「あ、学校の話題って全部NGだった？」
「今更お前の無神経さにどうこう言うつもりはないけど……普通、不登校の奴にそういう事聞くか？」
「大丈夫かなと思って……」
隼瀬君は呆れたように言い放った。
不登校とは言うものの、隼瀬君の場合は行きたくないと言うか…行かない方が良いという判断の元行ってないだけだから、こういう話をしても良いのかと思ったけど、駄目だったのかな。
「………行きたいとは思ってないけど、退屈ではあるな。お前が来てから退屈が薄れてきたけど」
「ああ、まぁ……どういたしまして」
「うるさいし鬱陶しいからな、お前は」
隼瀬君は意地悪そうな顔をした。
全くもって素直じゃないね、隼瀬君は。
なんとなく、私も学校で会う人達に思いを馳せてみる。
「……私もさ、学校最近までそんなに楽しくなかったんだけど、今は結構楽しいんだよ」
「へぇ……なんで楽しくなったんだ？」
「友達が出来たからって言うのもあるんだけど…好きな人のおかげで本心が出せるようになったからかなぁ」
全部全部向坂君のおかげなんだ。
私の性格を好きだと言ってくれて、なにより"雪平さんには俺がいる"って言ってくれた。
だから、本心を出して嫌われても気にしなくなったんだ。私には向坂君が居るから。
