だから、クラスメイトが話している言葉も当たり前だけど聞こえていなくて。


「きゃあ……!今日も眠り姫と王子が一緒にお昼寝に出かけた……!」

「このクラスの癒しだよね!混ざってみたい……!」

「邪魔したらダメに決まってるでしょ!」


その光景を実麻が苦笑いで見ている。


「本当、鈍感なんだから。『どっちも』」


お昼休みが終わるまで、あと30分を切っていた。