途端に熱を帯びる唇。 上から押さえつけるように力が加わって。 それをキスと自覚するには十分だった。 白雪姫は、王子のキスで目覚めたというけれど。 これはそんな優しいものではなくて。 覚醒するどころか、このまま意識を奪われそうになる。 また、天国に逆戻り……ううん。 このまま意識が飛んだら地獄行きだ、きっと。 「……や、めてっ!」 ほとんど無意識に、彼を押し戻していた。