幸せの欠片たち。

だったら、私の心は一つしかなくて…。


「…っ!好き!好きだよ…ずっとずーっと、えいちゃんだけが好き!」


そう言って、勢いを付けてぎゅっと彼に抱き付けば、彼は態勢を崩しながらも受け止めてくれた。


「ん。ありがとな。俺も美南のこと好きだよ。ずっとずーっと…それこそガキの頃から、好きで好きで好きで堪んなかった」


するり、と背中に回った大きな手に、また涙が溢れてくる。
それは、さっきとは全く違う意味を持つ雫で、私は心が満たされていった。


「ガキの頃から…って、何時から…?」

「お前が俺のこと好きだって言い始める少し前から。とんどん可愛くなる美南に気が気じゃなくて、ほんと、格好悪いくらいテンパってた」

「うっそだぁ…」


こつん


何時までも、現実を受け止めない私に痺れを切らした彼は、私の両頬を包んで、視線を合わせてくる。


至近距離でおでこから感じる彼の体温に、体全体が物凄い勢いで沸騰してしまうほど熱くなってしまった。


「何回でも言うよ。今まで美南が俺に伝えてくれた分以上に…強くしっかり、美南を包み込めるまで…だから、来年からはまた、『好き』ってチョコを俺に渡して?それがないと、生きてけない」


また、おでこを付けられたままの姿勢で、かち合う視線は堪らなく甘くて、此処で漸く彼の心をきちんと受け止められそうだった。