「ひまわり園、いやになったの…?」
「…………」
「と、年頃だもんね…!プライバシーとか、確かに普通よりはないなって私も思うよ…?」
「…………」
引き留めなくちゃ。
どうにかしてでも、引き留めなくちゃ。
「みんな…寂しがるよ」
ちがう、ちがう。
私が寂しいだけ。
いつだって言えないの、これだけが。
いざというときビビって何もできないとこ、シロちゃんにもすげー嫌いって言われちゃったんだっけ。
「ユキちゃんは?」
「わた、し…?」
「うん。きみは寂しい?」
寂しいに決まってる。
どちらにせよ高校を卒業したらこの施設を出ていかなくちゃいけないけれど、いま離れるだなんて想像もしていなかった。
浅く首を動かしただけじゃ足りないみたいで、シロちゃんは椅子から立ち上がってまで追い詰めてくる。



