踏み込んだなら、最後。





「うそ。すきだよ、ユキちゃん」



箸で大きめに切ったハンバーグをひとくち。

中性的な顔立ちながらもすぐにご飯を掻きこむ姿なんてもう、男の子だ。



「…シロちゃん、気をつけてね」


「ん?」


「今日もシロちゃんの学校の生徒が万引きで補導されたって…噂になってたから……」


「はははっ。僕の高校の治安、相変わらずすぎて笑える」



呑気に笑っている“かぞく”に、もっともっと心配が募る。


おなじ高校に進学するとばかり思っていたから、高校2年生になった今も納得できていないところがあった。


シロちゃんは私と同じ高校のブレザーを着てくれると思ってたのに…。

学ランだなんて、ちょっと似合わないよ。



「…まだ不満?」


「…不満っていうか……、ずっと一緒だと思ってたから…」