踏み込んだなら、最後。





実質20代だろうけど、その風貌は若作りしようにもしきれていない50代にしか見えない。


これがクスリの怖さだ。

中身を壊すだけでなく、結局は見た目さえボロボロに溶かしていく麻薬。



「大して情報なんか持ってないんだろ。あいにく、暇じゃないんだよ僕」


「うふふ。坊やみたいな子、嫌いじゃないかも」



そうかい。

僕はあんたみたいな女、大嫌いだ。



「…なにが目的?」


「ずっとシてないから喉が渇いて仕方ないの。おねがい」


「…………」



しょっちゅうこんなのばかりだ。

僕をカワイイだとか何とか言って、興味本位に近づいては関係を持とうとしてくる。



「なら、自分でシて準備しといてよ。用を終わらせたらすぐ来るから」


「ぜったい来てくれるぅ?」


「うん。待ってて、キレーなオネーサン」


「きゃはっ」



その場で本当に下着を脱ぎ始めた妖怪。

「一生してろ」と、僕がつぶやいたことにすら気づきもしない。