「…言ってくれて、ありがとう」



指で目元を拭うと、私に向かって笑顔を見せてくれた。

響子ちゃんもどことなく晴れやかな顔をしてる。



「いや、良いんだよ…言いたいこと言えてこその友達だもんね」


「うん、今は本当にそう思う……でも、結局元宮のことをどうするのかはハッキリさせた方が良いんじゃない?」




濡れた瞳でジトっと私を見つめる響子ちゃん。


た、確かに…それは響子ちゃん的にもハッキリさせた方が良いもんね……



「よし!一回元宮君と話してみる!」


「なにを話すの?」


「それは決めてないけど……でも、正直私が元宮君をどう思ってるか自分自身でも分からないんだ。だから、今度話してハッキリさせようかなって」


「……うん、それが良いと思う。自分の中で考えがまとまったら、気持ちに整理が出来てからで良いから私に教えてね?」


「勿論!響子ちゃんも、私に気にせずどんどん元宮君にアプローチしちゃって良いからね!」


「ふふっ、分かったよ」



いつもの可愛い響子ちゃんの笑顔に心が温まっていく。

響子ちゃんの笑った顔って抜群に可愛いんだよなぁ。本当に仲直り出来て良かった……


そうしみじみと思っていると、響子ちゃんは大事な事を思い出したと言わんばかりに「あ!」、と声をあげた。



「?どうしたの?」


「柚!嫌がらせされてるって言うのはどうなったの!?」


「え?あ、あー……最近はめっきり減ったよ?たまーにゴミとか入ってるけど…」


「誰かはわかった訳?」


「それは今調査中……でも、嫌がらせが無くなったら別に特定しなくても良いかな〜って…」


「甘いわよそれ。私、そいつ見つけるまで柚と仲直りしないから」



え!?なんてことを言うんだこの子は!!



「いや、え!?それはそれじゃん、響子ちゃん!」


「私と仲直りして浮かれてるからどうでも良くなっちゃうのよ。舐められたら終わりなんだから、見つけたら徹底的に問い詰めないと」


「だからといって仲直りしないのは……」


「見つければ良いじゃない。私も協力するから、ね?」



ふふん、と少しいたずらっ子のように笑う響子ちゃんに何も言い返せない。

この子にはこれから先勝てないだろうなぁ。


でも、そんな響子ちゃんと友達で居れて良かったと心の底から思ったんだ。