「そう言えば三組に転校生来たらしいじゃんー、どんな奴なのかなぁ」



持ってきたであろう焼きそばパンをモグモグと食べる望月君にビクッとする。

て、転校生の話はまずい……色々思い出しちゃうよ……



「興味無いから知らない」


「お前には元から期待してねーよ。夏秋はどうよ?そういう話好きそうじゃん」


「えっ!?!?てててて転校生なんてし、ししし知らないよ!全然!!!」



いきなり話を振られて、咄嗟に勢いよく返してしまうと「お、おう……」と若干引かれてしまった。

トイレ行くって嘘ついて転校生見に行ったら、絡まれましたなんて言ったら響子ちゃんになんて言われるか……

考えただけでも恐ろしい。
響子ちゃんに友達辞めるなんて言われたら普通に死ねるよ……



「あ、でもうちのクラスの女子達がなんか騒いでたなー」


「えっ!!!!!?なんて!?!?」



またもや私の勢いの良さにちょっと引いてる望月君と響子ちゃん。


いやでも、それどころじゃないよ!私の事だったらどうしよう!
響子ちゃんにバレちゃうよ!!



「え、いや……普通にカッコよかった〜って…そんなに気になるのか?さっきから様子が変だけど」


「ちょ、ちょっとだけね……?へ、変かなぁ、あはは……」


「柚はお腹が痛いから調子が悪いんだよね?トイレから戻ってきてからソワソワしてる」



気遣うように言う響子ちゃん。

響子ちゃんはずっと私がお腹が痛いって勘違いしてるみたいだけど、全然そんなことないんだよね…

うんうんと壊れたおもちゃのように響子ちゃんに頷く私に「ふぅん?」と全然信じてなさそうに返事する望月君。