「も、もっちーさん?」


「んあ?あぁ……元宮の野郎許せないなーって」


「え?元宮君は悪くないよ、私に嫌がらせしてるのはまた別の人だし」


「でも、元宮が来なかったら無かったことじゃん」


「んー……私は元宮君が居なければなんて本当に思ってないよ。元宮君、ちょっと素っ気ない所あるけど、子供みたいに素直で良い子なんだ」



最初の頃は逆恨みもしたけど、今は嫌がらせも毎日されてるって訳じゃないからもう気にならなくなったし。

本当に本心からの言葉だったけど、望月君は更に顔を暗くさせた。



「……元宮のせいじゃない、ねぇ……」


「?どうかしたの?」



「じゃあ、俺のせい?」



望月君はヘラりと笑って自分に指をさした。

予想外の言葉に思わず、ふっ、と笑ってしまう。



「いや!いやいや!もっちーが悪い所なんて一つもないじゃん!!響子ちゃんも元宮君も悪くない!私が性格悪くて見放されただけなのと、嫌がらせしてくる子が悪いんだよ!」


「俺が響子を巻き込まなかったらここまで関係こじれることは無かったかもよ?」


「そんなの結果論じゃん!もっちーがそんな事言うなんて珍しいなぁ」



望月君は冗談を言ったのかと思ってたから、彼の言葉をケラケラと笑いながら受け流していたら、なぜか私をジッと見てきた。

あれ?反応間違ってたかな?



「え?あれ、笑っちゃいけなかったかな?」


「いや……本気で思ってる?それ」


「え、うん……逆にもっちーがそれを本気で思ってる方がびっくりだよ……」



そう言うと望月君はほうけた様子で「そっか」とだけ呟いた。