望月颯《もちづきはやて》君。通称"もっちー"は響子ちゃんの顔を見ると、べーと舌を出した。



「相変わらず愛想のない奴だな。だからモテないんだよ」


「男なんて別にどうでもいいし。ていうか、アンタみたいなのを好きになる子が居るとも思えないんだけど?」


「俺はイケメンだし性格も良いからモテてんだよ!お前と違ってな!」



自信満々に言う望月君。


自分で言っちゃう所が残念だけど、望月君は確かにイケメンなんだよね。

見た目はちょっとたれ目で爽やかな甘いマスクって感じ。


だけど、性格は見た目に反してお調子者だしノリがまぁ軽い。

でも私にも優しいから、もっちーのことは結構好きだし、ここだけの話ちょっと憧れてる……




「今日は本当に貸さないから。一回ぐらい痛い目見た方が良いんじゃない?」


「響子は本当にしょうがねえなぁ…夏秋ー、古典の教科書貸してー」


「良いよ〜」


「おー!心の友よ〜!!」


「柚は望月に甘すぎる…」



古典の教科書を望月君に渡すと、いぇーい!とハイタッチする。

えへへ、もっちーとハイタッチしちゃったよ!